小2息子を鎖でつなぎパチンコ「息子に頼まれた」と無罪主張に仰天


滋賀県長浜市で今年10月、小学2年の男児が自宅の居間で腹を鎖で縛りつけられているのが見つかった。鎖の端は柱につながれ、男児は少なくとも約4時間半にわたって半径1.5メートルほどの範囲しか身動きできない状態で、周りには排泄(はいせつ)用のおまるが置かれていた。逮捕監禁容疑で逮捕されたのは、男児の両親だった。ところが、父親は初公判で「子供が『鎖でくくって』と言った」と言い放ち、無罪を主張している。市教委などは約1年半も前から児童虐待の疑いを持ちながら、結局は悲劇を見抜くことはできなかった。

悲劇の現場を見つけたのは、男児の同級生たちだった。

 今年10月8日午後3時半ごろ、男児方付近の路地で小学生10人ほどが集まっているのに近くの男性(66)が気づいた。男性が近寄ってみると、子供たちが「おっちゃん、友達が鎖でつながれているんや」と悲痛な表情で訴えてきた。子供たちに案内されるまま男児方に入ると、居間で男児が鎖につながれた状態でぐったりと座り込んでいるのを発見した。

 男性はあわてて110番通報し、男児を助けようとしたが、南京錠で止められた鎖が男児の腹に食い込み、なかなか外せない。男性は自宅から持ってきた工具で、やっと切断した。

 男児に大きなけがなどはなかったが、衰弱していたために病院に搬送。その後は、児童相談所にあたる県彦根子ども家庭相談センターに保護されている。


県警長浜署は、逮捕監禁容疑で男児の父親(32)と母親(27)を逮捕。2人は同罪で起訴され、11月28日に大津地裁で初公判が開かれた。検察側の冒頭陳述などで明らかにされたのは、男児に対する2人の虐待、育児放棄ぶりだった。


母親は平成24年4月に父親と結婚。男児は母親の連れ子だった。だが、やがて2人は男児を家に残してパチンコなどに出かけるようになり、深夜に帰宅することもしばしばあった。

 その間、自宅に取り残された男児は、冷蔵庫の中の残り物を食べて空腹をしのいだ。すると、帰宅した父親が「無断で食べた」と激怒。その結果、2人が外出している間は、男児の行動を制限することにし、昨年3月に鎖や南京錠などを購入した。

 以後、2人は外出するたびに、男児の腹を鎖で縛って南京錠で止め、鎖の端を居間の柱にくくりつけた。柱付近には飲み水とおにぎり、ゲーム機、そしておまるが置かれた。また、男児は素手やほうきで殴られることもあった。

 公判で父親は無罪を主張し、鎖で縛ったのはしつけのためとする。弁護側は「子供に『くくって』と頼まれてやった。無理やりではなく了承を得たうえで、問題行動に対するおしおきだった」などと述べた。


一方、母親は起訴内容を認め、被告人質問で男児の気持ちを尋ねられると、「怒られたくないから、いやいや(『くくって』と)言っていた。それが分かっていながらくくっていた」と涙ながらに証言した。


長浜市教委教育指導課や同市家庭児童相談室などによると、実は昨年4月には男児に対する育児放棄の兆候があることを把握していた。男児が通う小学校の教員が、男児が食事を与えられていなかったり、何日も風呂に入っていない様子に気付いたという。

 それ以降は、教員や家庭児童相談室の職員が何度も家庭訪問をするようになった。また、同年5月には男児の顔が腫れていたため、学校側が同室に連絡。身体的な虐待の疑いも浮上していた。

 今年5月には、男児が左腕にやけどをしているのを教員が発見。男児に理由を尋ねると「転んだ」「アイロンに当たった」などと答えたという。7月には男児が1週間も学校を欠席したこともあった。教員ら4人が男児方を訪問すると、母親は「風邪です」と説明。自宅内で男児が無事に過ごしている姿も確認できたため、それ以上の追及はしなかった。

 市教委教育指導課の副参事は「継続的な家庭訪問など、やるべきことはやってきた」と話す。

 一方、男児が長期欠席した際、学校側は家庭訪問をする前に「虐待が疑われる児童がいる」と長浜署に連絡をしていた。結局は、男児の無事が確認されたため、学校側は「安全が確認できた」と再度連絡。警察が男児方を訪問することは、今回の事件発覚までなかった。


同署の生活安全課長は「学校から連絡を受けて、捜査の必要はないと判断した。具体的な暴行や傷害の状況を聞いていれば、対応は変わっていた」と話す。


今回の事件を受け今年11月25日、市教委や家庭児童相談室、県彦根子ども家庭相談センターの担当者らが集まって対策会議が行われた。アドバイザーとして出席した児童福祉司は「男児から話を聞き出すよう努力するべきだった」と、学校や市などの対応を批判した。

 市子育て支援課の課長は「虐待を見抜けなかったことを重く受け止めている」と反省の弁を述べた上で、「両親や男児にもっと話を聞くべきだったが、スタッフは1人当たり90世帯を担当している。現実的には、すべての家庭に対して親身になって臨むのは難しい」と漏らした。

 母親は、初公判で検察から懲役2年を求刑され、即日結審。今月17日に判決が言い渡される。「息子に会って謝りたい。また一緒に暮らしたい」と訴える母親の言葉が法廷にむなしく響いた。一方、父親の次回公判は年明け以降に開かれる見込み。

http://www.sankei.com/west/news/141211/wst1412110003-n1.html

子供に手錠をしてまで、パチンコに行くようなものではありませんよね。
子供の悲痛な叫びが、親には届かなかったのでしょうか?
こんな事が起こって残念でなりません。

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